台湾の台中駅から歩いて3分のところにオシャレなお店『宮原眼科』がある。
日本時代に建てられた建物をリフォームし、チョコレートのお土産と種類豊富なアイスクリームを購入することができる。
インスタ映えスポットなので台中に来た世界中の旅行者で毎日賑わっている。
そんな人が集まる宮原眼科の向かいに、40年以上ひっそりたたずむ廃墟ビルがある。
建物の名は「千越大樓」、別名「台中のお化け屋敷」である。
千越大樓の悲しい歴史
千越大樓は、1979年当時は台中一の巨大デパートで賑わっていた。
1~2階はデパート。3階~4階はショッピングモール5階か9階、10階は
オフィスや住居スペースとなっており、頂上にあるUFO型のスペースはレストランだった。
その後、台湾の景気悪化から内部空間を変え頂上の円盤空間はKTV(カラオケ)に、
他の階は中華レストランやディスコ、地下はアイススケート場と夜のビルへと変貌していった。
しかし1988年、経営に行き詰まり保険金名目で火災が起き3階4階部分のレストランが焼失した。
これにより廃墟ビルとなり、さらに2005年、8階部分で火災が発生し建物に大きなダメージが発生した。
廃墟ビルが台中の隠れたインスタ映えスポットに変貌
そんな40年も続く台中の廃墟ビル千越大樓が、2017年からインスタ映えスポットへと姿を変えた。
火付け役は、『逃亡計画 Escape PLAN ”X』というチーム。
あなたもこれまでに、壁などシャッターにスプレー缶を使って芸術と思えるような落書きアートを目にしたことがあるだろう。
彼らは、この台中の廃墟ビル8階から上の壁を落書きアートで埋め尽くしてしまった。
『廃墟×落書き』、このなんともいえないダークな組み合わせは台中のインスタ映えスポットとして一気に拡散されていった。
台中の廃墟ビル行ってみた。リアルレポート
宮原眼科の賑わってるエリアから川を越えると、台湾らさしが残る古びた雰囲気になる。
台中のインスタ映えスポットとなっている5階へは、行き方が2通りある。
- 建物内部にある階段
- エレベーターと階段がある部分
エレベーターと階段がある部分は廃墟ビルさながら古びてて薄っすら暗いのでお化け屋敷状態である(写真右)。
建物内部にある階段は、古さは残るものの明るいので心配ならコチラが安全だ(写真左)。
コンクリートで作られた階段を上ると受付に到着する。受付で入場料の100元を払い、入場券を受け取る。
一度入場券を払えば再入場が可能である。
管理組合への通行料支払い
2020年3月現在、建物の管理組合と経営者とで金銭でもめているようです。
ビルに入るとき、1階にある管理組合に100元の通過料を払う必要があります。
入場券を払えばあとは心赴くまま観覧することができる。
階段を上ると屋上に到着し、地面も壁も落書きだらけで驚くハズ。
この廃墟ビルにあまり訪れる人がいないので、薄暗さと古びた廃墟感が合わさり、台中のお化け屋敷と言われている。
どこアングルから写真を撮ってもインスタ映えするので、写真撮るのが下手な私でもこんな写真が撮れてしまう。
階段をさらに上り、最上階の屋上へ非常階段を使って登ると台中を一望することができる。
晴れた日にいくと、格別な風景を見渡せるだろう。
安全柵が一切ないので、この廃墟ビルの屋上を歩く際はビルの隅ギリギリまでいかないこと。
廃墟ビルの円盤のUFO型になっていた場所の前にソファーがある。
ここに訪れた人は、何かに取り憑かれてるかのようにみんなソファーに座って写真を撮っていく。
UFO部分の中は、もの気の空となっており、落書き一色となっている。
入口のコンクリートには木の根がへばり付き、ジブリの世界を思い出す。
無数にあるスプレーアートは、撮っても撮っても撮り飽きない。
予備バッテリーと、カメラの容量をたくさん空けて行かないと悔しい思いをするかもしれない。
建て替えが検討されている
台中は都市開発でどんどん建物が取り崩されて、新しい建物に建て替えられている。
40年以上廃墟としていたこのビルも、目をつけられている。
台中市政府は、この廃墟ビルを建て替え、地上19階、地下6階のホテルと商業施設の複合型施設の計画を立てた。
台中の千越大樓は、彼らの活動で活気を取り戻しつつあるが、いつ取り崩されてもおかしくない状況にある。
興味あるなら早めに台中の廃墟ビルへ行っておくといいだろう。
2014年ランタンフェスティバル 飛行機アート
2014年台中中友百貨店、街道アート展
2014年台中中区再生アート創作
2016年中興大学 アート創作
2016年台中教育大学 アート創作
2017年烏日環境保護落書きイベント主催
2018年国立台中美術館前、アート創作
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